
おしらせ&コラム
2025.2.10
製造業の平均年収は低い?理由・年収アップの要因・技術革新の必要性を解説!
製造業の人気は決して高くなく、マイナスイメージを持たれているケースが目立ちます。
中でも、「製造業の年収は低い」というイメージが広まっています。
実際に製造業の平均年収は低いとは言えず、イメージが先行している形となっているのです。
本記事では、以下の内容をまとめました。
・製造業の平均年収は本当に低い?
・製造業の平均年収が低いと思われやすい要素
・製造業における年収向上の要因
・技術革新が製造業の年収に与える影響
ぜひ最後までご覧ください。

製造業の平均年収は本当に低い?

「製造業は年収が低い」というイメージから製造業を避ける動きが見られます。
実際に製造業の年収は低いのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
産業別の賃金に関する調査では、製造業は全体の平均が月30万6000円と16ある産業の中で9番目でした。参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況 産業別」
決して突き抜けて高いわけではないものの、いたって平均的であることがわかります。
イメージでは製造業=低年収と思われやすいですが、実際はイメージ通りとは言えません。
製造業の平均年収が低いと思われやすい要素

では、なぜ製造業の平均年収が低いと思われやすいのか、とても気になるところです。
最大の要因は製造業における業種や職種の幅広さにあります。
本項目では、さらに細かく分けて解説していきます。
他業界で高年収が目立つ
製造業と他業界を比較すると、他業界では高年収が目立つ一方、製造業はそこまで高年収が目立ちません。
例えば、伊藤忠商事の場合、成績最優秀だった課長代行の場合、年収見込みが2025年度で2970万円となり、課長で3620万円と破格の年収になることが明らかになっています。参照:日本経済新聞「伊藤忠が平均年収1割増へ 25年度、課長で3620万円も」
他にもITや金融といった成長著しい業界であれば、破格の高年収のケースは珍しくありません。
しかし、製造業の場合、あのトヨタ自動車ですら、平均年収は900万円ほどと、突き抜けて高い年収とは言えません。参照:ビジネスジャーナル「トヨタですら…大企業でも製造業は金融・不動産業より段違いに年収が低い理由」
頑張れば1000万円、2000万円、場合によってはそれ以上が狙える業界と、頑張っても1000万円に届くか微妙な超大手の製造業という構図です。
高年収の報道ばかりが先行する中で、製造業に対するイメージが「そこまでは稼げない」というものになっていった可能性が考えられます。
大企業と中小企業との格差
製造業では中小企業が多く、全製造業の中で99%以上とされています。
企業規模別の賃金では、大企業の全体平均が月34万6000円なのに対し、中企業は31万1400円、小企業は29万4000円とおよそ5万円ほどの差があります。参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況 企業規模別」
年収換算で60万円ほどの違いがあるほか、ボーナスなどを加味すれば、その差はもっと大きい可能性があるでしょう。
大企業は利益や資本の規模が大きく、その分を社員の給与に回しやすくなります。
その点、中小企業は利益なども限定的なため、社員の給与に回していくのも限定的です。
2025年に入り、ユニクロを運営するファーストリテイリングが初任給33万円を打ち出し、話題となりました。
33万円は小企業における50代前半の平均賃金の数字とほぼ同じです。参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況 企業規模別」
大企業ほど初任給引き上げの動きに乗っかる中、中小企業はその動きに乗りにくく、格差がより生じる可能性があります。
ポジションによって年収に差が出やすい
製造業にはさまざまな職種があり、エンジニア、管理職、営業のほか、単純作業を中心に行う社員もいます。
同じ製造業に従事しながら、ポジションによって年収の差が出やすいのも製造業ならではと言えます。
高度な専門性や資格を必要とする職種では高年収、単純作業中心だと低年収という構図が一般的です。
製造業の年収が低いというイメージは単純作業に従事する正社員のイメージの可能性があります。
製造業があまりにも幅が広く、業種・職種共に多く存在するからこそ、人それぞれで違うイメージを持っていることも影響していると言えるでしょう。
製造業における年収向上の要因

製造業において年収を向上させるためには、さまざまな要因が必要となります。
本項目では、製造業における年収向上の要因をまとめました。
企業規模と業績
企業規模が大きくなればなるほど、経営資源は増えやすく、収益力も高まっていくため、次第に給与に回す量も増えていきます。
企業規模別の賃金格差を見ても、小企業と中企業で2万円近い差がありました。
厚生労働省では、常用労働者の数で企業規模の分類を行っており、100人未満が小企業、100~999人までが中企業です。
企業規模が少しでも大きくなれば、その分、賃金に回す余裕が出始めます。
加えて、業績が好調な企業はボーナスなどで還元し、昇給にも前向きです。
収益力をつけて利益を多く出していくことが年収アップのルートになります。
専門性と技術力
製造業で高収入を得るためには、専門性と技術力の高さが必要です。
高い技術力を持つエンジニアや熟練工は、企業からすれば貴重な人材であり、高い賃金であっても、払うのを惜しみません。
資格を取得すれば資格手当がつくように、スキルアップが、年収向上への近道となるケースは多く存在します。
誰でもできるような仕事はそれだけ代わりが多くいるため、賃金はそこまで高くはなりません。
専門性や技術力を身につけることが高年収を目指すにあたって大事と言えます。
年齢と経験
年齢や経験も製造業の年収に大きく影響を与えます。
製造業に限らず、基本的に年齢と経験を積むほど賃金が上昇し、どの産業においても50代後半にピークを迎える形です。参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況 産業別」
同じ企業でコツコツと働き、経験を重ねていく中で年収を上げていくことは可能です。
また、経験を重ねてスキルを磨き、いずれ転職するとしても、前職より高い賃金のところを見つけられる可能性もあるでしょう。
どのように経験を重ねていくかが、とても重要な意味を持つのです。
技術革新が製造業の年収に与える影響

製造業にとって技術革新の波に乗り切れるかどうかがポイントになります。
技術革新の波に乗り切れないと、自然と淘汰されていき、ジリ貧となるでしょう。
一方で、技術革新は製造業の付加価値を高め、付加価値の高い製品を製造し、売上につなげることができます。
デジタルトランスフォーメーションを推進していくことで、生産効率性の向上や自動化、コスト削減などさまざまな効果に期待が持てます。
AIやIoTを積極的に導入する際には、高いスキルを持つ技術者が必要となり、必然的に高い賃金が必要となるでしょう。
技術革新の結果、高利益体質に変化すれば、給与水準は高くなります。
技術革新への取り組みに積極的かどうかが、賃金において大きな違いを生み出すでしょう。
まとめ

製造業=低年収というのは、あまりにもざっくりとしたイメージであり、技術革新に前向きなところではむしろ給与水準が高めになりやすいと言えます。
人手不足や原材料不足、原油価格の高騰などさまざまな問題がある製造業ですが、技術革新・デジタルトランスフォーメーションに取り組むことで乗り越えることは十分に可能です。
ライバルに打ち勝つ企業が結果として成長し、年収向上につながっていくと言えます。
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