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2024.10.18

トラックドライバーが行う荷役作業の現状は?課題や影響、改善策を解説

トラックドライバーは単に運転をするだけが仕事ではなく、荷物を引き受ける際に荷役作業を行います。

この荷役作業がさまざまな問題につながっており、改善が求められているのです。

本記事では、以下の内容をまとめました。

・トラックドライバーの荷役作業の現状
・荷役作業がトラックドライバーに与える影響
・トラックドライバーの荷役作業の改善策

ぜひ最後までご覧ください。

トラックドライバーの荷役作業の現状

トラックドライバーが行う荷役作業の現状はあまり知られていません。

本項目では、トラックドライバーが行っている荷役作業の状況について解説します。

そもそも荷役作業では何を行う?

トラックドライバーが行う荷役作業は2種類あり、フォークリフトを使って荷台へ運ぶ「パレット積み」と荷台の入り口まで運んでから手で積み込んでいく「バラ積み」があります。

パレット積みであれば、あらかたフォークリフトの操作で済むため効率的ですが、バラ積みが多いのが実情です。

パレット積みだとトラックに隙間が生じるため、隙間を少しでもなくすにはバラ積みが欠かせません。

このバラ積みをトラックドライバーが行います。

バラ積みがあれば、その分荷役作業も長くなるため、結果として労働時間の長さにつながるのです。

荷待ちがあるケースでは、1運行で荷待ち時間は平均1時間34分、荷役作業もおおむね1時間ほど、合計2時間半以上費やしている計算です。参照:国土交通省「トラック輸送状況の実態調査結果(概要版)」

荷役作業で労働災害が起こりやすい

荷役作業の問題は単に労働時間が長くなるだけでなく、労働災害の問題が挙げられます。

過去の調査では、陸上貨物運送事業において労働災害発生率が他の産業と比べても高く、令和元年では1,000人あたり8.55人でした。参照:厚生労働省「陸上貨物運送事業における労働災害発生状況」

最も多いのは「墜落・転落」、「動作の反動・無理な動作」、「転倒」でした。

「墜落・転落」はトラックの荷台上の作業中に、「動作の反動・無理な動作」はバラ積み作業中、「転倒」は、歩行通路以外を移動中に起こりやすい傾向にあります。

ただでさえ長時間労働で疲労がある中、荷役作業を行って労災に巻き込まれるケースがあるのも注意すべき点です。

荷役作業が輸送力に影響を及ぼす

荷役作業があると、その時間は輸送ができないため、輸送力に影響を与えます。

現状は時間外労働に上限が設けられており、トラックドライバーが働ける時間に限りがあります。

稼働できる時間が限られる中、輸送にかける時間を捻出するとすれば、荷待ち時間・荷役作業の時間削減が第一です。

労働時間の規制を巡り、何の対策も立てなければ2024年度の時点で輸送能力がおよそ14%、2030年度には34%も減るとされています。参照:国土交通省「物流の2024年問題について」

荷役作業の時間削減が輸送能力に何かしらの影響を与えることは間違いありません。

荷役作業がトラックドライバーに与える影響

荷役作業はトラックドライバーに対して大なり小なり影響を与えています。

本項目では、荷役作業がトラックドライバーに与える影響についてまとめました。

肉体的負担に関する影響

トラックドライバーは、荷役作業で労災に遭いやすいことは統計からも明らかです。

では、実際にどのようなケガを負ったのかを見ると、「墜落・転落」は圧倒的に骨折が多く、「動作の反動・無理な動作」は捻挫や亜脱臼、負傷による腰痛、骨折と続きます。

バラ積みでは重たい荷物を運ぶことが多く、お米の30キロ紙袋を800袋バラ積みをするケースや1台30キロのパチンコ台を40台運ぶなどのケースもあります。参照:HARBOR BUSINESS Online「トラックドライバーの身体を蝕む、過酷過ぎる「バラ積み・降ろし」の実態」

バラ積み中心では、ぎっくり腰などの負傷をしやすいことは明らかで、トラックの荷台からの墜落や転落も考えると、厳しい環境の中でドライバーは作業していると言えるでしょう。

荷役作業に報酬が発生しないケースも

荷役作業の問題点はきつい作業を強いられながら、その作業に報酬が発生しない事がある点です。

あるケースでは1時間ほど荷役作業を行いながら、無償で作業を行うケースがありました。参照:NHK「トラック運転手たちに密着 過労死ラインを超える過酷な労働実態」

本来荷役作業は契約になければしなくていいものの、仕事を回してもらうために無償で引き受けているケースが目立ちます。

労働災害にもつながりかねない作業を、仕方なく無償で行わざるを得ない状況と言えるでしょう。

他にも高速代が出ないために下道を利用するなど、トラックドライバーを巡る厳しい状況が明らかになっています。

トラックドライバーの荷役作業の改善策

さまざまな問題を孕んでいるトラックドライバーの荷役作業ですが、改善を図ることでトラックドライバーはもちろん、物流の安定を目指すことができます。

本項目では、荷役作業の改善策をまとめました。

自動化を含めた技術の活用

荷役作業を効率的に行うために、荷役作業の自動化が検討され、実用化が進んでいます。

花王では「自動運転フォークリフト」を活用し、フォークリフトを自動運転させてドライバーに荷役作業をさせない状態にしています。参照:ニュースイッチ「自動フォークで荷役作業」日本初の実用化、花王が労働力不足を解消へ

自動で荷役作業を行う動きは強まっており、さまざまな場所で自動化が進んでいる状況です。

現状は大手に限られており、中小企業などに行き渡るのはまだまだ時間がかかります。

ただ、自動化が進めば、トラックドライバーの荷役作業は減り、労働災害が発生する可能性が下がるのは確かです。

荷役作業の外部委託

トラックドライバーが行う荷役作業を業者に外部委託することにより、負担軽減につなげることができます。

物流アウトソーシングとも呼ばれ、結果としてトラックドライバーの負担は大幅に軽減され、運転業務に集中できます。

また、輸送にかける時間を今までよりも確保できるようになり、輸送力の低下を防げるでしょう。

トラックドライバーも契約にないことをする必要がなくなり、働いた分だけしっかりと給与を手にできます。

荷主への意識改革を促す

トラックドライバーに荷役作業を強いるのは基本的に荷主であり、荷主の指示で仕方なく荷役作業を行うドライバーもいます。

一方で、兵庫県で行われたアンケートでは、荷主側は荷待ち時間の短縮に関する取り組みを行っていないケースが目立ちました。

また、2024年問題や改善基準告示などをしっかりと把握する荷主は3分の1と少ない現実もあります。参照:トラック輸送における取引環境・労働時間改善兵庫県地方協議会「トラック輸送に関する意識調査(荷主アンケート結果)」

荷主側に対しては、改善基準告示や荷主勧告制度を活用して、長時間労働を是正していく動きもありますが、これらの認知度も低いのが実情です。

荷主側の意識改革を促すために、より厳しい罰則などを設けて対応していくことも視野に入れていくべきと言えます。

まとめ

トラックドライバーに荷役作業を強いるのは、荷主側が強い立場で、トラックドライバーが弱い立場にいることも背景にあります。

そのため、荷主側にしっかりと働きかけを行わないと改善しない可能性が高いと言えるでしょう。

輸送力低下を避けるためには、業界を挙げて対応する必要があります。

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