おしらせ&コラム
2024.9.2
荷役作業で起こりやすい事故とは?事例・安全対策を交えて解説
「荷役作業で起こりやすい事故とは何か」、「安全対策はどのようにすればいいのか」と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、以下の点をご紹介します。
・荷役作業で起こりやすい事故
・荷役作業で実際に起きた事故事例
・荷役作業での事故を防ぐ安全対策
ぜひ最後までご覧ください。
荷役作業で起こりやすい事故
荷役作業では以下の作業中に事故が起こりやすいと言われています。
・荷物の積み下ろし作業での事故
・荷締め作業での事故
・荷物のシート掛け・外し作業での事故
・フォークリフト作業での事故
上記の内容について具体的な事故内容を含め、それぞれ解説します。
荷物の積み下ろし作業での事故
荷物の積み下ろし作業では、以下の事故が起きています。
- 荷台の上で滑って落ちる
- 不安定な立ち位置から転落
- 保護帽を着用しない状態で転落
- 作業手順書を作らずに作業を行って事故発生
荷物の積み下ろしは、トラックを始め、列車や船舶などから荷物を下ろす作業です。
コンテナなどの場合はクレーンを用いるほか、重い荷物だとフォークリフトを活用します。
例えば、トラックの荷台で作業をする中、足元が荷物が多くて不安定になっており、保護帽をつけない状態で、足を滑らせてトラックの荷台から転落し、大けがをするケースが挙げられます。
特に荷役作業において、「荷台の上」や「荷台の端」から落ちるケースが多く、平荷台ではこの2つのケースだけで墜落・転落の半数に及ぶ状況です。
荷締め作業での事故
荷締め作業では、以下の事故が起きています。
- 荷台の上で滑って落ちる
- 荷締めの器具に不備があった
- 保護帽を着用しない状態で転落
- 荷締めの作業中にトラックが動いて事故発生
- 作業手順書を作らずに作業を行って事故発生
荷締め作業は荷物をトラックや船舶などに積み込んだ際、荷台で安定させるためにベルトなどを活用して固定させていく作業を指します。
この時、荷締め機を使う際などに何らかの不具合で事故が生じ、死亡事故になることもあるのです。
周囲との連携がうまくとれずに事故が起きるケースもあるため、注意が必要です。
荷物のシートやロープ掛け・外し作業での事故
荷物にシートやロープを掛ける、もしくは外す際にも事故が起きます。
- 荷台の上で滑って落ちる
- 後ずさりをした際に転落
- 保護帽を着用しない状態で転落
- 作業手順書を作らずに作業を行って事故発生
荷物のシートやロープ掛け・外し作業は荷台の上でしっかりとシートやロープを掛けることで荷崩れを防ぎます。
一連の作業は複数で行うケースもありますが、1人で行うケースもあり、この時に事故が起きるケースが出てくるのです。
シートを外す作業では、複数人で息を合わせてシートを引き下ろすなどの作業があります。
荷物が崩れてしまって下敷きになってしまうようなケースが起こりやすいのです。
フォークリフト作業での事故
荷役作業において、円滑に作業を進めるために欠かせないのがフォークリフトです。
しかし、フォークリフト作業での事故は頻発しており、2024年の上半期で起きたフォークリフトの死傷事故は前年と比べ11件減ったものの、794件ありました。
参照:LOGISTICSTODAY「上半期のフォークリフト死傷労災は11件減」
徹底した安全対策や安全意識の向上など、幅広い対応が求められるのがフォークリフトでの作業です。
そのため、フォークリフト作業を外部の企業と請負契約を結ぶことで、作業を委託することをおすすめします。
請負契約によって、注文主はフォークリフトの作業者に対して指揮命令などをする必要がなく、あくまでも請負元と作業者の間に指揮命令の関係が生じます。
また、経費なども抑制できるため、工場内での重大事故を避けつつ、効率よく会社運営が行えるでしょう。
荷役作業で実際に起きた事故事例
荷役作業の中ではさまざまな事故が生じており、死亡事故に至るケースが全国で発生しています。
本項目では実際に起きた事故事例について解説します。
荷台から落下して死亡もしくは重傷を負うケース
2024年8月、北海道にある食品会社の敷地内で、76歳の男性がトラックの荷台から荷物の積み下ろしを行っていた際に転落し、死亡しました。
男性はパイプの積み下ろしを行っており、当時1メートルの高さにいました。
その後、何らかの原因で転落してしまい、打ち所が悪く、亡くなってしまったのです。
参照:TBS「食品工場でパイプの積み下ろし作業中…トラックの荷台から転落 約1メートル落下した76歳の男性死亡 北海道函館市」
荷台から転落するケースは2024年だけでも多く、2024年4月には荷物の積み下ろし作業をしていたトラック運転手が荷台から転落して脳挫傷の重傷を負っています。
この時、トラック運転手が所属する会社は書類送検されています。
参照:上越タウンジャーナル「トラック運転手が荷台から落下し脳挫傷 上越市の運輸業者を書類送検」
荷物の積み下ろし作業に関する事故は各地で起きているのが現状です。
荷締め作業中に起きた死亡事故
労災が認定されたケースでは、フォークリフトを使ってトラックに積み荷を積み込んでいたドライバーが、トラックが動き出してしまいました。
この時、ドライバーはフォークリフトに差し込まれたパレットに乗っており、トラックが動いたことでフォークリフトが転落、そのはずみでパレットが浮き上がってしまったのです。
ドライバーはその勢いで荷台の天井に飛ばされるなどして、死亡に至りました。
原因はトラックのブレーキが甘く、輪止めをしておらず、トラックが動いてしまったことなどが挙げられます。
参照:厚生労働省「積込み作業中のフォークリフトが、トラックの荷台より転落、誘導者が死亡」
荷役作業での事故を防ぐ安全対策
荷役作業では色々な種類の事故が起きていますが、これらの事故を防ぐ安全対策が存在します。
・作業手順書の作成
・保護具の着用
・KYT(危険予知訓練)の実施
最後に上記の安全対策についてまとめました。
作業手順書の作成
荷役作業で起きるさまざまな事故において、時折みられるのが、作業手順書を作成しないで作業を行い、事故になるケースです。
また作業手順書はあったものの、その通りに作業が行われずに事故になった事例もあります。
安全に荷役作業を行うには、まず作業手順書を作成し、作業指揮者が作業の指揮を行う必要があります。
作業手順書の作成手順は、作業で扱う荷物や機械、器具、保護具などを示して、作業の内容をわかりやすくまとめていく形です。
作成したら正しく運用されているかを常にチェックすることが求められます。
保護具の着用
ヘルメットや安全靴など保護具の着用を徹底させることも事故防止につながります。
一連の事故では保護具の着用がなかった、もしくは不十分だったために事故につながったケースが少なくありません。
保護具を着ければ完全にケガを防げるわけではありませんが、死亡事故や重大な障害が残る事故は防ぎやすくなります。
保護帽(ヘルメット)や安全靴、安全帯を正しく着用していくことも必要です。
KYT(危険予知訓練)の実施
KYT(危険予知訓練)の実施も行っていくことが求められます。
実際の訓練では、イラストシートを活用し、そのイラストを見た際に、どんな事故、危険があるかを予測し、意見を出していくという流れです
また、現場で作業を行う中で、どの部分に危険が潜んでいるかを指さし確認をしながら、解決を目指す訓練も行われています。参照:中災防「危険予知訓練 KYT」
KYT(危険予知訓練)では明るい雰囲気の中で前向きに指摘し合う雰囲気が出来やすくなるとされ、効果的な方法です。
危険に対する意識を高め、共有していくことで荷役作業の事故を防げます。
まとめ
荷役作業での事故は全国的に起きており、死亡事故のニュースは地域のニュースでたびたび出てきます。
対策を講じていれば防げる事故も多く、事前の安全教育や安全対策の徹底が必要です。
KYT(危険予知訓練)などを、それぞれの企業が行っていくことで、ヒューマンエラーによる事故は防ぎやすくなります。
仲間を事故で失うことがないよう、企業が真剣に取り組み、従業員が実行していくことが求められています。
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