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2024.9.9

物流業界が取り組むべき「2024年問題」の対策とは?問題の中身や影響も解説

2024年問題は、自動車運転業務に関する年間の時間外労働時間の問題です。

上限960時間という制限に伴い、さまざまな弊害が出てくるため、物流業界に携わる各業者が頭を悩ませています。

そこで本記事では、以下の情報をまとめました。

・物流業界が頭を抱える2024年問題の中身
・物流業界への打撃必至?2024年問題がもたらす影響
・物流業界が取り組むべき2024年問題に関連した対策

ぜひ最後までご覧ください。

物流業界が頭を抱える2024年問題の中身

まず重要なことは、そもそも2024年問題がなぜ生じたのかについてです。

最初に2024年問題の中身の部分について振り返ります。

きっかけは2019年に施行した働き方改革関連法

2016年、当時の政府は働き方改革実現会議を立ち上げ、働き方改革に向けた取り組みを始めました。

2017年に出された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」では3つの柱があり、第2の柱である「長時間労働の是正と多様で柔軟な働き方の実現等」の中に「時間外労働の上限規制の導入」があります。

時間外労働の上限は、「月45時間、年360時間を原則」としているものの、「臨時的な特別な事情」に限り、「年間720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間」を限度としました。参照:厚生労働省「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱(労働政策審議会29.9.15答申)の概要」

本来は2019年4月に施行され、中小企業は2020年4月からスタートするはずでした。

しかし、建設業や医師、自動車運転業に関しては、仕事上の特性、取引慣行から5年間猶予され、2024年4月からの施行となったのです。

年間960時間は特別条項付き36協定を締結した場合に適用

物流業界は年間の時間外労働時間として960時間が設定されています。

これは特別条項付き36協定を締結した場合に適用される時間です。

特別条項付き36協定を締結する際には、従業員の健康や福祉の管理が望ましいとされ、「医師の面接指導」や「健康診断」などの配慮が必要とされています。

ちなみに他の業界に設定された「時間外労働と休日労働の合計時間」などの規制は物流業界には適用されません。

あくまでも年間の時間外労働時間上限960時間を守ることが重要です。

上限960時間を超えるケースは全体の6%程度

過去に行われた調査では、1か月平均の時間外労働に関して、上限960時間に相当する月平均80時間以上の時間外労働をしていると答えたケースは全体の6.3%ほどしかいませんでした。

60~80時間未満のゾーンを加えても14.5%と6社ないし7社に1社が、年間の時間外労働時間上限960時間を意識しなければならない状況です。参照:PR TIMES「【トラックドライバーに聞く、「物流の2024年問題」に関する実態調査】」

一方で、年間960時間を超えるドライバーの有無に関するアンケートでは、いると答えた人が半数近くに及ぶなど、その実態はつかみきれないところがあります。参照:公益社団法人全日本トラック協会「トラック運送業界の2024年問題について」

物流業界への打撃必至?2024年問題がもたらす影響

年間の時間外労働時間上限960時間を厳守することがどのような影響をもたらすのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

ここからは、2024年問題がもたらす影響を解説します。

売り上げ・利益の減少

時間外労働時間の上限が960時間になることで、売り上げや利益の減少につながるケースが考えられます。

労働時間には荷待ちや荷役作業なども含まれるため、走行時間と労働時間がイコールにならない現実があります。

荷待ちや荷役作業の時間を減らすなど効率的なことをしないと、稼働時間が下がり、結果として物流の停滞などにつながりかねません。

一方、2023年からは1か月平均の時間外労働が60時間を超えると、割増賃金率が50%に上がるルールもスタートしています。

960時間ギリギリまで働かせても人件費は以前よりも高くなり、利益の減少につながる恐れもあるのです。

ドライバーの収入減少

ドライバーにとって時間外労働の上限が定められることで心配なのは、収入の減少とされ、アンケートでは全体の7割ほどの方が収入の減少を危惧しています。

参照:PR TIMES「【トラックドライバーに聞く、「物流の2024年問題」に関する実態調査】」

960時間以上の時間外労働をしてきたドライバーからすれば、働ける時間が減るため、その分、収入が減ってしまうのです。

一方、月平均の時間外労働が60時間を超えると割増賃金が50%になるルールもあるため、少しでも人件費を切り詰めたい企業からすれば、時間外労働が60時間を超えないようにするケースも出てくるでしょう。

ドライバーの年収は他の産業と比べても低い中で、さらに収入が減るとなると、ドライバーにとっては厳しい状況と言えます。

物流の停滞

トラックドライバーの有効求人倍率はここ数年2倍前後を保っており、全産業の平均と比較しても明らかに高く、慢性的な人員不足です。参照:厚生労働省「統計からみるトラック運転者の仕事」

その状況で、ドライバーの収入が減り、きつい仕事だと思われれば、より不人気が増してしまいます。

バス業界などではドライバーが不足しているために、バスの便数が減るケースが全国で起きています。

これと同じことが物流で起きれば、物流の停滞を招くでしょう。

物流業界が取り組むべき2024年問題に関連した対策

最後にご紹介するのは、物流業界が取り組むべき2024年問題に関連した対策についてです。

人員不足や収入の改善などに効果的な対策についてまとめました。

女性や高齢者、外国人を含めた人材の確保

現状、トラックドライバーの大半は40代・50代で、30代以下や女性が少ない現状があります。参照:PR TIMES「【トラックドライバーに聞く、「物流の2024年問題」に関する実態調査】」

そのため、女性や高齢者、外国人を含めた人材の確保を目指し、人員を確保していくことが求められます。

国土交通省では「トラガール促進プロジェクト」を始め、女性のトラックドライバーを増やす動きを強めている状況です。

他にも特定技能の在留資格で外国人ドライバーを確保する動きも強まっています。

物流量自体は増えており、人員を確保できれば、売り上げアップや適切な労働時間での勤務、休みの確保がしやすくなるでしょう。

荷待ち時間や荷役作業の改善

荷待ち時間・荷役作業の改善を図ることも、重要な対策です。

荷待ち時間や荷役作業の改善の有無で、ドライバーの拘束時間がおよそ2時間ほど変わります。

この2時間が輸送力のアップや適切な労働時間につながるのです。

荷待ち時間は、物流を担う施設における処理能力の問題を始め、さまざまな要因が考えられます。

これらの改善をいかに図っていくかが、2024年問題の解決につながってきます。

具体的な荷待ち時間や荷役作業の改善策として、荷積みや荷降ろしに関しては現地の企業が行う分業制がおすすめです。

分業化で効率化が図れるほか、女性を活用していく点においてもメリットが大きいと言えます。

運賃アップを含めた速やかな価格転嫁の実施

ドライバーの年収アップの原資となるのが運賃であり、運賃アップを適切に行わない限り、人件費を増やすのは大変です。

令和2年に入り、「標準的運賃」制度が創設され、適切な運賃を算出した上で荷主と交渉できるようにしています。

しかし、希望額を丸々受け取れたケースは3割程度で、一部もらえたケースを含めてようやく半数を超える状況です。

運賃が上がれば商品・サービスの価格に転嫁しなければならないため、そう簡単に飲み込めない現実があります。

消費者が一連の動きに理解を示し、サービスの質を保つためのコストとしての認識を深めてもらうことが大切です。

まとめ

2024年問題は5年間の猶予期間があったこともあり、多くの企業が危機感を持って準備を進めてきました。

そのため、2024年以降もすぐには危機的な状況に陥ってはいませんが、物流業界の発展のためにも早急な対応が必要です。

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