2024.11.15

工場での採用に対する考え方！ニーズや手法を解説

多くの工場では慢性的な人手不足に悩まされ、「採用がうまくいかない…」と嘆く担当者も多いのではないでしょうか。

円滑な採用を目指すには、現状のニーズや現代に合わせた採用手法などを理解することが求められます。

本項目では、以下の内容をまとめました。

・工場での採用ニーズと現状
・工場での採用における効果的な手法
・工場での採用を進めるために行うべき魅力的な職場の構築と採用後のフォロー

ぜひ最後までご覧ください。

工場での採用ニーズと現状

工場においては、慢性的な人手不足が問題視され、どの企業も人材確保に苦慮しています。

本項目では、工場での採用ニーズ・現状についてまとめました。

製造業における人材不足の現状

製造業における人材不足の現状はあまり芳しいものではありません。

産業別従業員数過不足DIを見ると、2010年からコロナ禍直前の2019年まで不足の状況が悪化しています。

コロナ禍で一時的に人材過剰の状態になるもすぐに不足に転じ、2022年はコロナ禍直前の数値まで戻っている状況です。参照：厚生労働省「2023年版 ものづくり白書」

非製造業の就業者数はここ20年で増加しているのに対し、製造業は減少の一途を辿っています。

その原因はいくつもあり、34歳以下の若年就業者や女性就業者の減少、高齢就業者の少なさがポイントです。

製造業における正社員の多さ

厚生労働省のものづくり白書では、製造業における正規・非正規雇用者の推移についても紹介されています。

2022年度は正規雇用者だけで68.6％、非正規雇用者は23.2％となっており、全産業と比較すると、正規雇用者の数値は全産業での数値よりも15％以上も上です。参照：厚生労働省「2023年版 ものづくり白書」

つまり、製造業では正規雇用者が他の産業よりも多く、非正規雇用者が少なめとなっています。

この背景には、スキルや知識の継承や長い目でみた人材育成などがあります。

採用ターゲット層の特徴と動向

製造業全体における採用のターゲット層は、主に若年層です。

若年層は、技術の継承をはじめ、技術革新や新たな技術の導入を考えた際に必要不可欠な存在です。

長い目で見た人材育成を考える中で、若年層の人材が欠かせません。

ただ、その若年層が製造業を敬遠し、結果として若年層のボリュームが年々薄くなる事態を招いています。

若者はもちろん、女性や高齢者にとっても働く上で魅力的な環境であることを打ち出さない限り、人手不足の改善は難しいと言えます。

工場での採用における効果的な手法

採用の多様性が進む中、工場での採用においても効率的かつ効果的な方法が求められています。

本項目では、工場での採用における効果的な手法をまとめました。

採用プロセスの効率化

工場での採用において、採用プロセスの効率化は欠かせません。

効率化を図っていくことで、採用担当者は応募者とのコミュニケーションや適切な人材の発見に集中できるようになります。

採用業務は多彩に存在しており、担当者は採用業務で忙殺されがちです。

応募者の情報収集から適性評価までをオンラインツールで一元管理するほか、面接日程の調整もツールの活用により、効率化できます。

採用プロセスの効率化を図り、質を高めていくことで、採用の精度を高めていくことが可能です。

SNSとデジタルマーケティングの活用

最近、SNSやデジタルマーケティングを活用した採用活動が目立ちます。

インスタグラムやXなど、さまざまな媒体で情報発信を行い、若者に訴求していくことができます。

動画や写真を活用し、工場の様子や働くスタッフの姿をリアルに伝えていくことで、工場勤務の魅力を発信できます。

また、各企業が採用専用のWebページやブログを立ち上げて、情報発信を行うのもおすすめです。

応募者が興味を抱いた時に、すぐにアクセスできる環境を整えることは応募への意欲にもつながります。

今後SNSをいかにうまく活用できるかがポイントとなるでしょう。

面接・選考方法の工夫

工場での採用においては、面接・選考プロセスも大事な要素となります。

優秀な人材を採用するには、応募者のスキルや適性を正確に見極めることが重要となるためです。

地方の企業であれば、オンライン面接を導入することで、地理的な不利を跳ね除けつつ、優秀な人材の可能性が高ければ、交通費を出して本社で面接を受けてもらうこともできます。

工場勤務ではコミュニケーション能力が大事であり、グループディスカッションを活用した選考なども取り入れられます。

工場に欠かせない優秀な人材を確保するため、面接や選考のやり方を工夫していくことが必要です。

工場での採用を進めるために行うべき魅力的な職場の構築と採用後のフォロー

採用がうまくいったとしても、大事なのは長く働いてもらうことであり、早期離職をできる限りなくすことです。

そのためには、採用後の職場定着が重要であり、職場環境の向上や継続フォローが欠かせません。

本項目では、魅力的な職場の構築や採用後のフォローについて解説します。

働きやすい環境作りと福利厚生の充実

工場での仕事は、体力勝負の面が大きく、働きやすい環境の整備が必要不可欠です。

また、製造業を中心に労働災害が起こりやすく、社員が安心して働ける職場を作ることも企業側に求められます。

安心して働ける職場を作るには福利厚生の充実が必要で、例えば、休憩スペースや更衣室の充実、昼食補助といったものが可能です。

他には、資格取得の支援や各種補助、手当の拡充などを行い、社員の満足度を高められます。

柔軟に休暇を取得できるようにし、その様子を発信していくことで、若年層にとって魅力的な職場環境に思われやすくなるでしょう。

入社後の教育・研修制度の充実

採用した人材が職場において、スムーズに業務に取り組めるよう、入社後の教育・研修制度の充実が欠かせません。

特に工場勤務では、機械操作や安全管理の知識が求められるほか、事故防止に向けた対応も必要です。

研修の段階で、基礎的なトレーニングから実務を想定した応用的な研修まで、段階的に学ぶ機会を用意するほか、OJT（職場内訓練）を通じたサポートも構築していきましょう。

先輩社員が手厚くサポートすることで、新入社員も安心して取り組めるだけでなく、スキル向上につながりやすく、早期離職の防止に寄与します。

内定者へのフォローメールや継続的なコミュニケーション

内定が出て、実際に働き出すまでの間、内定を出すタイミングによっては相当な時間が空く場合があります。

その間、何のフォローもしないで放置すると、内定者が不安がり、内定を辞退するケースが出てきてしまうでしょう。

そのため、内定後はすぐにフォローメールを出すほか、定期的に面談を重ねていき、継続的にコミュニケーションをとることが求められます。

定期的な面談は入社してからもしばらくは続けていき、仕事への適応状況や目標達成に向けた進捗状況の確認を行います。

新入社員はこうしたフォローやケアにより、安心して仕事に臨めるようになり、前向きに取り組めるのです。

まとめ

製造業において慢性的な人手不足となっている一方、すべての製造業・工場で人手不足となっているわけではありません。

今の時代に合わせて対策を講じているところでは、人手不足で頭を抱えることなく、生産性の向上など前向きに運営が行えています。

どうすれば優秀な人材を確保できるのかを、採用の面から見直していくことが求められているのです。