おしらせ&コラム
2024.11.11
製造業における人材確保の重要性とは?育成への課題や採用戦略を解説
製造業では慢性的な人手不足となっている一方、募集をかけても人が来ない状況が続いています。
製造業において人材を確保することは将来的なことを考えてもとても大事なことです。
本記事では、以下の内容をまとめました。
・製造業において人材が持つ重要性
・製造業で人材を育成する際の課題とは
・製造業における現代の人材採用戦略とは
ぜひ最後までご覧ください。
製造業において人材が持つ重要性
製造業では機械化が進んでいる一方、多くの分野において高度な技術を必要とし、労働力に依存しなければならない状況と言えます。
製造業として生き残るには競争力も欠かせません。
そのような状況において人材がどのような重要性を持つのかを解説します。
製造業の成長を支える人材の役割
機械化・IT化が進む製造業において人手不足でも問題がないと思う人もいるかもしれません。
しかし、技術革新を支えてきたのはさまざまな分野に精通した人材であり、多彩な才能があるからです。
そもそも機械化やIT化には専門的分野に精通した人材の存在が欠かせません。
多種多様な人材がいるからこそ製品開発・生産性向上も可能なのです。
製造業の成長を支えるのは、確かな技術力を持ち、経験を重ねた人たちと言えます。
人材不足が製造業に与える影響
製造業では長らく人材不足が指摘され続けていますが、現状では中小企業を中心に人材不足の解消には至っていません。
人材不足が与える影響は大きく、生産性の低下だけでなく、納期に間に合わせるために長時間労働が常態化することも言えます。
また、専門性の高い知識、技術を持つ職人がいても、人材不足によって次の世代につなげず、技術や知識が失われるデメリットがあります。
近年では人手不足倒産が増加するなど、業績がどれだけよくても、人材不足を理由に倒産に追い込まれるケースがあるのです。
技術の活用で人材不足はどれだけカバーできるのか
人材不足をカバーするためにIoTやAIといった新たな技術を活用し、対応しようとするケースが見られます。
もちろん、新技術導入によって、人材不足はある程度カバーできるでしょう。
しかし、新技術導入に向けて新しいスキルを身に着ける必要があるほか、誰がその訓練を行っていくか、設備投資にいくらお金をかけられるかといった問題があります。
「新しい技術を活用すれば人材不足はカバーできる」と現場では分かっていても、コスト面や経営者の理解不足などでなかなか事が進まないことも考えられます。
これからの時代は「省力化投資」が必要とされ、省力化投資を促す補助金なども登場している状況です。
製造業で人材を育成する際の課題とは
人手不足でも生産性を高めていくために省力化投資が必要とされていますが、それでも製造業における人材育成は欠かせません。
人材を育てることは企業の長期的な成長にもつながり、若い世代の育成や熟練者の技術継承にも寄与します。
本項目では、製造業で人材を育成する際の課題をまとめました。
いかに若手や女性就業者を育てていくか
製造業に限らず、労働者の高齢化が進んでいる一方、若年就業者もすべての業界で減少傾向です。
若手人材の確保が急務であるのはもちろんのこと、製造業にとって深刻なのは女性就業者の割合が低い点です。
2020年度において女性就業者の割合は全産業で44.5%と緩やかに上昇しているのに対し、製造業における女性就業者の割合は29.9%と緩やかに下がっています。参照:経済産業省「ものづくり人材の確保と育成」
女性が技術職で働くことはあまり一般的だと思われていないために、女性が製造業を選ばない要因となっています。
各地で製造業で女性が活躍する取り組みを展開していますが、その動きが形となるのはまだ先となりそうです。
熟練技術者のスキルをいかにつなげていくか
製造業において慢性的な人材不足が叫ばれ続けている中で、常に懸念点として挙げられているのが、長年培われた熟練技術者のノウハウをいかに次の世代に引き継げるかです。
技術職において、熟練技術者の多くは「技を見て盗む」など、手取り足取り教えられたわけではなく、観察して見様見真似でつかんでいます。
つまり、マニュアルに沿って成長したわけではなく、いわば独学でつかみとったスキルと言えます。
一方で、次世代に継承しようにも、人がいなければそもそも技を盗んでもらうことすらできません。
こうした状況でデジタル技術を活用して、技術を継承するためのサポートを行うほか、デジタル技術を活用してスムーズに技術を習得することが求められます。
デジタル技術をいかに活用していくか
製造業において、デジタル技術を活用していくことはもはや必須と言えます。
しかし、デジタル技術をいかに導入して活用していくかは各企業の努力次第であり、デジタル技術に対する偏見が少しでもあるとなかなか進みません。
デジタル技術を活用することが人材不足の状況をカバーしてくれるかを、理解する必要があります。
中小企業においてもDX推進を行う企業と全く行っていない企業に分かれています。
現状では大きな差がなくても、今後はっきりとした差となる可能性は十分にあるでしょう。
製造業における現代の人材採用戦略とは
普通に求人広告を出しても、なかなか人が集まらないのが今の製造業の実情です。
この状況において、いかに生産性を維持し、新たな価値を生み出していけるかが重要となります。
本項目では、製造業における現代の人材採用戦略について解説します。
女性や高齢者の活用
製造業において、女性の割合が低いだけでなく、高齢者の割合も実は高くありません。
全産業で65歳以上の就業者数が13.6%ある中、製造業は8.8%しかありません。参照:経済産業省「ものづくり人材の確保と育成」
女性や高齢者の割合が低いのが製造業の状況であり、女性や高齢者を増やすことで少しでも人材不足の解消につながると言えます。
女性や高齢者が働きやすい環境であることは、従業員の定着率の高さ、離職防止にもつながるため、女性や高齢者に配慮された職場環境の整備はとても重要です。
やる気のある外国人労働者の受け入れ
人材不足に直面する製造業において、外国人労働者の受け入れが重要になっています。
令和5年10月末時点で、外国人労働者は2,048,675人いますが、そのうち、27%にあたる552,399人が製造業で働いている状況です。参照:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)
外国人労働者の4人に1人は製造業で働き、その数は今後も増えることが予想されます。
人材不足を外国人労働者でカバーする時代が本格的に到来していると言えるでしょう。
課題も多く、文化や言語の違いによる現場でのコミュニケーションの問題や技術の継承など、やるべきことはたくさんあります。
一方で、やる気を持って日本にやってくる外国人労働者も少なくありません。
高いモチベーションを維持させながら、指導を行っていけるかがポイントと言えます。
まとめ
製造業において人材不足となっているのは今に始まったことではありません。
危機感を抱く企業は真っ先に外国人材を活用したり、女性や高齢者が活躍しやすい環境を整えたりしています。
そして、今は省力化投資に力を入れ、積極的にデジタル技術を活用するケースが目立っています。
その企業にとって親しみのある方法を活用し、人材確保につなげていきましょう。
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