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2024.11.13

製造業における派遣社員の役割とは?メリットや課題・正社員への切り替えを解説

製造業では2004年から派遣労働が解禁され、製造業の現場では派遣社員が増えています。

製造業の派遣社員にはどのような役割が与えられているのか、気になる方も多いはずです。

本記事では、以下の内容をまとめました。

・製造業における派遣社員の需要と役割
・製造業の派遣社員が直面する課題
・製造業において派遣社員を正社員に切り替えるメリット・デメリット

ぜひ最後までご覧ください。

製造業における派遣社員の需要と役割

製造業において派遣社員の活用は一般的であり、派遣という働き方にはさまざまな需要や役割が存在します。

本項目では、製造業における派遣社員の需要と役割についてまとめました。

製造業における派遣社員の現状

全産業における派遣労働者の割合は意外と低く、12.3%しかありません。

しかし、製造業においては23.6%と産業別では最も多い数字となっており、派遣での働き方は製造業においてはさほど珍しいものではないと言えます。参照:厚生労働省「令和4年派遣労働者実態調査の概況」

派遣労働者を就業させる理由として、圧倒的に多かったのは、「人員の迅速な確保」であり、「繁忙期に業務量が増えることへの対処」も見られました。

派遣の働き方であれば、即戦力をすぐに確保しやすく忙しい時期だけ働いてもらうことがしやすいため、製造業にマッチしていると言えます。

製造業で派遣社員が採用されやすい理由

製造業において派遣社員が採用されやすい理由はいくつか存在します。

最大の理由は、単純作業が多く、正社員を配置するのは向かない職種に派遣社員をあてがいやすいことです。

覚えることが少なく、作業が単純なケースにおいて、正社員をあてがうのは得策とは言えません。

一方で、単純作業が多い作業も、製造の現場においては欠かせないのも事実です。

こうした正社員の採用が難しい職種においては、派遣労働者を配置するのが妥当です。

派遣社員側のメリット

派遣社員として製造業で働くメリットも多く存在します。

繁忙期に合わせて働き口が増えるため、需要の拡大に合わせて働く場所を見出していけるのがポイントです。

また、日払いを行うケースなど、1日でも早く収入を手にしたい方にとって魅力的な場所も少なくありません。

事業所の規模が大きければ大きいほど派遣の働き方に積極的であり、派遣社員でありながら大企業の中で働けることも可能となります。

製造業の派遣社員が直面する課題

派遣社員としてのメリットがある一方、派遣の働き方にはデメリット、課題もあります。

本項目では製造業の派遣社員が直面する課題についてまとめました。

労働災害の問題

派遣労働者の場合、労働災害の発生率が高い傾向にあります。

特に多いのが製造業で、労働災害が発生したケースの半数以上を占めます。

製造業における派遣労働者が労働災害に巻き込まれた場合の経験年数を見ると、実に70%が1年未満の経験年数しかありませんでした。参照:労働者健康安全機構「派遣労働の労働衛生対策とその実践」

派遣先での死傷者数は2023年に5,000人を超えるなど、企業側が安全衛生マニュアルの作成を行って周知徹底を図るなどの対策が求められます。

スキル向上が難しい

派遣社員の場合、スキルを身に着けて向上を図る機会が少なく、結果としてキャリアアップにつながりにくくなっています。

有期雇用の派遣社員は同じ職場で3年間しか働けず、それ以上働く場合には無期雇用になる必要があります。

3年間しか働けないため、その職場で貢献できるようなスキルアップを図っても、無期雇用とならなければ意味がありません。

新たな派遣先で以前身に着けたスキルが活用できることも考えられますが、無駄に終わる可能性もあるため、その点がデメリットになり得るでしょう。

派遣期間と安定性の問題

派遣社員の多くは有期雇用となっており、最長3年間で満了を迎えるケースが目立ちます。

無期雇用への切り替えや直接雇用をしてもらう可能性があるものの、製造業のように繫忙期が終わったタイミングで契約が終わるケースもあります。

契約が終わると、次の仕事をすぐに見つけなければならないものの、見つけるまでが大変というケースもあり得るでしょう。

企業側にとっては人員整理がしやすく調整しやすい点がメリットである一方、派遣社員側からすれば不安な要素となり得ます。

製造業において派遣社員を正社員に切り替えるメリット・デメリット

製造業において派遣社員に働いてもらうメリットがある一方、正社員として直接雇用を行うケースもあります。

直接雇用に切り替える場合にもメリット・デメリットがあるのが実情です。

ここからは派遣社員から正社員へ切り替えるメリットやデメリットをまとめました。

メリット①やる気があって能力がある人を正社員にできる

派遣社員は最長3年で契約が切られ、長く働いてもらうには無期雇用もしくは正社員としての直接雇用が必要です。

企業からすれば、常にやる気があって能力がある人が派遣され続けるわけではなく、どこかでハズレを引かされることも考えなければなりません。

派遣社員として安定した実績を重ねていれば、新たな人材を派遣社員として受け入れるよりも直接雇用を行った方が確実です。

いわば派遣社員は正社員登用のトライアル期間のようなもので、紹介予定派遣などのシステムも出てきています。

正社員登用の道があれば、派遣社員の時期からキャリアアップに向けて努力をしやすくなり、スキル向上へのモチベーションも高めやすくなります。

メリット②優秀な人材を集めやすくなる

派遣社員から正社員への道ができると、優秀な人材が集まりやすくなります。

正社員登用が積極的に行われれば、努力を重ね実績を積めば正社員になれるかもしれないとやる気の高い人たちが集まりやすくなるでしょう。

優秀な人材が集まれば、生産性の向上につなげやすく、業績アップにつながる可能性も出てきます。

その結果、より多くの人材を正社員登用でき、好循環につながっていくでしょう。

新卒採用では、入社してから双方に認識の違いがあり、ミスマッチに終わるケースが見られます。

派遣社員として働いてからであれば、その心配がなくなるのでおすすめです。

デメリットは人員整理の問題

正社員登用の最大のデメリットは、人員整理がしにくくなる点です。

日本では正社員を解雇するハードルが高く、何かしらの正当な理由がない限りは解雇ができません。

「直接雇用をしてみたけどやっぱり派遣に戻す!」といったことが簡単にできないため、正社員登用をする際には細心の注意を払う必要があります。

結局のところ、正社員登用による固定費アップに対応できるかどうかがポイントです。

国ではキャリアアップ助成金など、有期雇用から正社員登用を促すような仕組みも用意されています。

これらを活用していくことも必要ですが、長い目で見てコスト増に耐えられるかどうかを見極めることも必要です。

まとめ

「製造業と派遣」という形態は親和性があるため、今後も増えることが予想されます。

製造業への派遣が解禁されて20年が経ち、ルールも年々変わってきています。

製造業の企業からすれば、派遣に関するルール変更はメリット・デメリットの変化を孕むため、情報収集を怠らないようにしましょう。

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