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2024.10.14

物流の2024年問題の解決に欠かせない待機時間とは?現状や削減方法を解説

物流業界では労働力不足につながる2024年問題の解決が急務となっています。

この2024年問題でポイントになっているのが待機時間です。

本記事では、以下の内容をまとめました。

・物流の2024年問題につながる待機時間の現状
・物流の2024年問題に影響を与える待機時間の原因
・物流の2024年問題解決に向けて取り組むべき待機時間減少への対策

ぜひ最後までご覧ください。

物流の2024年問題につながる待機時間の現状

物流の2024年問題は労働力不足が問題視されていますが、労働力不足につながるものに待機時間が挙げられます。

まずは待機時間の現状がどのようになっているのかを解説します。

荷役作業の前に1時間以上待たされるケースも

荷物の積み込みなどの荷役作業の前に待たされる待機時間は、荷待ち1回あたり平均で1時間13分となっています。

このうち、1時間を超えるケースは全体の38.6%で、3時間オーバーが5.5%ありました。

1時間未満のケースが過半数を占める中で、待たされるときはとにかく待たされるケースが見て取れます。参照:国土交通省「トラック輸送状況の実態調査結果(概要版)」

荷主都合による荷待ち時間が長い品目では、最も長いのが「紙パイプ」で平均1時間37分、その次が「家電・民生用機械」で1時間36分です。

荷待ちが発生するケースは品目によって異なることがわかります。

トラックGメンが見つけた多くの問題

2024年問題を解決するため、国土交通省は2023年7月からトラックGメンを発足し、1年間の活動を行いました。

およそ1年間で是正指導を行ったのは722件で、そのうちの55%が長時間の荷待ちに関するものでした。参照:時事通信社「違反の是正指導700件超 長時間荷待ちや契約外業務―「トラックGメン」発足1年・国交省」

トラックGメンの是正指導は3段階あり、働きかけ・要請・勧告があり、勧告の時点で社名などが公表されます。

勧告を受けたのは2社しかなく、そのうちの1社であるヤマト運輸は長時間の荷待ちを下請けの運送会社に強いていたことなどが明らかとなりました。参照:時事通信社「ヤマトなど2社に初勧告 「トラックGメン」で監視強化―国交省」

トラックGメンの存在はあまり知られていませんが、今後活動が活発になる中で、長時間の荷待ちがより問題視される可能性も考えられます。

物流の2024年問題に影響を与える待機時間の原因

待機時間の存在が2024年問題に影響を与えていることは間違いありません。

その原因には以下の点が挙げられます。

  • 複数の場所で待たされる
  • 附帯作業の発生
  • 現場での業務効率化の遅れ

本項目では、上記の内容について解説します。

複数の場所で待たされる

複数の荷主企業の荷物を輸送する形を、特積み輸送と言います。

この特積み輸送では複数の箇所を回って荷物を積み込みますが、それぞれの場所で待機時間があると、おのずと待機時間が積み重なります。

例えば、1か所10分程度の待機時間であれば、5か所回れば50分の待機時間となります。

それぞれに予定があるので、何かしらの手段で時間を取り戻すことになるほか、場合によってはクレームになりかねません。

附帯作業の発生

特積み輸送では、ドライバーが荷物を運ぶ際に生じる附帯作業もあります。

附帯作業は本来ドライバーがしなくていいような作業を指し、荷物の積み込み、荷下ろしなどが対象です。

附帯作業によって貴重な労働時間が割かれれば、輸送力の低下につながってしまいます。

いかに附帯作業を減らせるかも大事な要素となるのです。

現場での業務効率化の遅れ

荷待ち時間が生じる背景には、現場での業務効率化が遅れていることが言えます。

例えば、物流施設において荷物・貨物をさばく処理能力が低い、遅いなどの問題があります。

また、トラックが集中しやすく、トラックをさばくのに時間がかかるケースもあるでしょう。

システムを活用して、さばければいいものの、システムがあまり活用されていないとムダが生じやすいと言えます。

こうした現場での業務効率化の遅れが、荷待ち時間の発生などにつながると言えるでしょう。

物流の2024年問題解決に向けて取り組むべき待機時間減少への対策

物流の2024年問題を解決するためには待機時間減少への対策が欠かせません。

主な対策を以下にまとめました。

  • 荷主が率先して待機時間の改善を目指す
  • 荷待ち削減に関する罰則強化
  • ITの活用

荷主が率先して待機時間の改善を目指す

荷待ち時間や荷役時間などの待機時間を減らすには、荷主の意識改革が不可欠です。

荷待ち時間・荷役時間に関する改善要望をしていない、されていないと答えた荷主が実に9割超えとあまりにも多い結果が出ています。

また労働時間のルールを破るよう運送業者に強いた荷主に対して行われる「荷主勧告」について、半数の荷主が荷主勧告の内容はおろか、存在すら知らないと答えています。

一方、荷主勧告について運送業者側は大多数がその内容を知り、存在も内容も知らないケースは数%にとどまっている状況です。参照:国土交通省「トラック輸送状況の実態調査結果(概要版)」

荷主が率先して待機時間の改善を目指さない限り、待機時間の減少は進まないと言えます。

荷待ち削減に関する罰則強化

荷主側が待機時間の改善にさほど関心を示さない背景には、荷待ち削減を怠っても特に罰則がない状況があります。

2024年2月になり、政府は荷待ち削減に関する罰則を設けることを決め、2024年4月に国会で可決、成立しました。

具体的な内容は、荷待ち時間削減の計画策定を荷主に義務付けるもので、計画が不十分だと国は是正を勧告し、従わないと社名が公表されます。参照:産経新聞「荷待ち削減義務3千社超 物流24年問題への対応策で改正法成立 運転手の仕事を効率化」

そして、命令違反の場合には最大100万円の罰金が科せられるのです。

全面施行は2026年度となっており、荷主やトラック運送事業者も対象とされています。

一方で、義務付けの対象となる企業はまだ定まっていない他、罰金の存在がどれだけ効果があるかも未知数です。

荷主側がどれだけ意識を改善できるかは、こうした罰則の認識にかかっています。

ITの活用

荷待ち時間を減らすには、トラック予約受付システムを始めとする、ITの活用が急務です。

例えば、トラック予約受付システムの場合、トラックドライバーがトラックの到着時刻を事前に予約することで、その時間に合わせて荷物の準備ができます。

予約の際には予約可能、予約済み、予約不可が示されるので、車両が集中することを避けられます。

何より予約時間に合わせて作業が進められるため、待たされることがなくなるのです。

トラック予約受付システムを導入したことで、待機時間が7割減になったケースがあるほか、倉庫における荷物・貨物の取り扱いが2割増えた結果も出ています。参照:損保ジャパン「物流ニュースNo.149」

ITやシステムの積極的な活用が、荷待ち時間の劇的な削減につながると言えます。

まとめ

物流の2024年問題に深く関与するのが待機時間の改善です。

政府も重い腰を上げ、荷待ち削減に向けた対策を立て、2026年度には罰則付きで動き出せる状態となっています。

荷待ち時間が減れば、輸送力は確保されやすく、人員不足に伴う輸送力低下に歯止めを掛けられます。

そのためには、荷主の意識が向上することが必要であることは明らかです。

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