おしらせ&コラム
2024.9.27
工場での慢性的な人手不足の理由!影響や解決策を解説
製造業など、工場で働く人手が不足していると感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、以下の内容をまとめました。
・工場での慢性的な人手不足が与える影響
・工場での慢性的な人手不足が生じる理由
・工場での慢性的な人手不足を解消する解決策
ぜひ最後までご覧ください。
工場での慢性的な人手不足が与える影響
工場で生じている慢性的な人手不足によって、さまざまな悪影響が生じてしまいます。
・労働環境が悪化の一途をたどる
・従業員のやる気が落ちる
・生産性が下がる
上記の内容について解説します。
労働環境が悪化の一途をたどる
慢性的な人手不足によって、労働環境が悪化の一途をたどるようになるのです。
人が足りないことで、1人がこなすべき仕事量がおのずと増えます。
一方で、1人が処理できる仕事量には限りがあるため、多くの時間を使ってこなすしかありません。
すると、長時間残業は当たり前となり、常に繁忙期のような状態となり、有給休暇も取りにくくなります。
人手不足によって、朝から夜まで働き通しで、休みたい時に休めないという環境になってしまうのです。
従業員のやる気が落ちる
労働時間が長く、休みも自由に取れないとなると、従業員のやる気は落ちていきます。
繁忙期と閑散期があり、繁忙期が一時的なものであれば、「その期間だけ頑張れば大丈夫!」と従業員も頑張れますが、人手不足によって「常に繁忙期」のような状態となります。
すると、「ゴールのないマラソン」のような状態なので、いつまで続くのかがわからず、次第に疲弊していき、モチベーションが下がるのです。
過去の調査で、人手不足が職場環境に与える影響を、企業側と労働者側それぞれに尋ねたところ、「従業員の働きがいや意欲の低下」を挙げたのは労働者側は80%以上、企業側は60%以上と大きなギャップがありました。参照:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」
残業時間の増加などは労使どちらも高い問題意識がある中、モチベーションの部分では企業側はさほど問題意識が高くないケースが見られます。
企業側がその点を見誤ると、適切な対応を取れず、慢性的な人手不足の状況を作り出すことになるのです。
生産性が下がる
人手不足ではない企業の労働生産性を100とした場合、不足している企業は80前後になると言われています。参照:内閣府「白書の注目点②:人手不足と生産性」
人手不足の時点で、そうではない企業と比べて大きく生産性を落としていることがわかりました。
生産性が落ちる原因は、設備投資の問題が指摘されており、人手不足の企業は設備投資が進んでいないことが関係しているという結果があります。
人手不足の状態で何も対策を講じなければ、労働環境は悪く、従業員のやる気は落ち、生産性が下がるという厳しい状況に追い込まれていくのです。
工場での慢性的な人手不足が生じる理由
工場での慢性的な人手不足は以下の要因が考えられます。
・製造業のイメージが悪く若者が入りにくい
・高齢者や女性が少ない
・非効率な業務で仕事量が多い
ここからは上記の理由について解説します。
製造業のイメージが悪く若者が入りにくい
人手不足を解消するには若者の存在が不可欠ですが、34歳以下の若年就業者は全体で25%と、20年前と比べて5~6ポイント程落ちています。
元々少子化で若者の絶対数が減っている中で、その割合も下がっており、「製造業の若者離れ」と呼ばれる状況です。参照:経済産業省「2022年版ものづくり白書」
背景には、若者の中で製造業のイメージが悪い点が挙げられます。
きつい・危険・汚いのいわゆる「3K」の印象が強いほか、夜勤などを行っている状況なども踏まえ、あまりいいイメージになっていないと考えられます。
若者は華やかで、イマドキの職業を求める傾向にあり、イメージ的に地味な製造業は敬遠する可能性もあるでしょう。
高齢者や女性が少ない
他の産業と比較しても、高齢者や女性の割合が少ないことも、慢性的な人手不足につながっています。
65歳以上の高齢就業者は2023年段階で88万人と微減傾向にあります。
高齢者の人口は増えることが予想される中で微減傾向にあるほか、65歳以上の割合も微減傾向です。
全産業・非製造業で見ても、5ポイントほど低く、明らかに高齢者の割合が少ないことが言えます。
女性に関しても同じで、全産業で見ると緩やかに女性の割合が増える中、製造業は10数年程横ばいです。
高齢者や女性に多く参加してもらえるような環境づくりが人手不足の解消につながることは明らかと言えます。参照:経済産業省「ものづくり白書2024」
非効率な業務で仕事量が多い
人手不足感のある企業の多くは労働生産性が低い傾向にあり、設備投資が進んでいないことが要因です。
非効率的な業務が行われ、処理するスピードが上がらないと仕事量をこなすことはできません。
短時間で仕事をこなすよりも時間をかけて仕事をこなすことがメインとなり、長時間労働につながるでしょう。
結果として労働環境の悪化などにつながるため、注意しなければならない部分です。
工場での慢性的な人手不足を解消する解決策
工場における慢性的な人手不足を解消するためには、以下の解決策が欠かせません。
・業務の効率化
・働きがいを高める
・高齢者や女性が働きやすい環境づくり
ここからは上記の解決策についてまとめました。
業務の効率化
人手不足の状態にあっても、設備投資を行うなどして業務の効率化を図れば、従業員の負担は減ります。
人手不足への対策で採用活動の強化を掲げる中小企業が多い一方、業務効率化を掲げる企業が少ないのが実情です。参照:東京商工会議所「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」
ゆえに業務効率化や生産性向上など、他の企業が敬遠することを行っていくことで、時間をかけて人手不足への対応ができるようになります。
働きがいを高める
働きがいを高めることが定着率の上昇につながることが調査からも明らかです。
働きがいのスコアがよかったケースほど定着率が上昇しており、離職率も下がる傾向にあります。参照:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」
このスコアは人手不足の企業だと如実に出ており、働きがいのスコアが高ければ定着率が高い結果が出ています。
この場合の「働きがい」は、仕事を通じた成長や自己効力感、働きやすさに対する満足感、仕事の裁量度などです。
工場での仕事を通じて成長できることや多くの仕事を任してもらえることなどを組み合わせていき、働きがいを得てもらうことが求められます。
高齢者や女性が働きやすい環境づくり
高齢者や女性が働きやすい環境を作っていくことが大切です。
女性の場合は子育ての両立をしやすくさせるため、育休制度の充実や短時間勤務制度の導入など、一旦工場の仕事から離れても再び戻ってこられる環境を整備することが必要です。
高齢者の場合は、体力面などの低下を補えるような対策が必要で、機械などを導入して重いものを持たないようにすることや、労働災害が起こりにくいように環境を変えていくことなどが欠かせません。
まとめ
工場の人手不足は、採用の強化だけでは解決しません。
一方で、働きがいを与えられれば、人手不足の状態にあっても会社にいようとしてくれるため、その間にゆっくりと採用活動を行い、業務効率化を図ることが可能です。
多くの企業が人手不足となり、争奪戦が展開される今だからこそ、働きがいなどの部分を見直していくことが求められます。
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