おしらせ&コラム
2024.9.19
工場で働く外国人労働者が増えている理由とは?雇用のメリットや注意点を解説
2023年度において、製造業で働く外国人労働者数は55.2万人と過去最高を更新し、雇用者に占める外国人労働者の割合も5%を突破しました。
そこで本記事では、以下の点をご紹介します。
・工場で働く外国人労働者が増えている理由
・工場で働きたい外国人労働者を雇用するメリット
・工場で働きたい外国人労働者を雇用する際の注意点
ぜひ最後までご覧ください。
工場で働く外国人労働者が増えている理由
製造業において、外国人労働者の数は右肩上がりを続け、コロナ禍が落ち着いてからはさらに増えています。
なぜ工場で働く外国人労働者が増えているのか、その理由を以下にまとめました。
・製造業を中心に慢性的な人手不足だから
・外国人を受け入れる制度が見直されたから
・総合的に見て日本で働くメリットが多いから
本項目では、上記の内容について解説します。
製造業を中心に慢性的な人手不足だから
日本では少子高齢化の影響もあり、製造業を中心に慢性的な人手不足となっています。
特に製造業は高齢者や女性が占める割合が低く、若者も敬遠しがちな傾向にあります。
慢性的な人手不足の状況を打開するために、外国人の受け入れが積極的に行われ、工場で働く外国人労働者が増えたのです。
製造業で働く外国人労働者数は、2008年時点では19.3万人しかいなかった中、2023年には55.2万人と3倍近くに増えています。参照:経済産業省「2024年版ものづくり白書」
コロナ禍で一時期減少したものの、2023年で一気に増えており、2024年以降の動向にも注目です。
外国人を受け入れる制度が見直されたから
工場で働く外国人労働者が増えている背景には、外国人を受け入れる制度が見直されたことが挙げられます。
2019年に新設された在留資格「特定技能」によって慢性的な人手不足に悩む分野において、外国人労働者を受け入れやすくなりました。
技能実習から特定技能への切り替えもできるため、最長5年の技能実習期間にプラスし、特定技能でさらに5年延長することができます。
これに伴い、より長いスパンで計画を立てていくことも可能です。
2018年と2023年に行った調査では、外国人従業員を雇用していると答えた企業の割合は製造業の中小企業で20ポイント以上増えています。
参照:あしぎん総合研究所「2023 年度外国人雇用に関する調査」の結果について
2018年時点では特定技能は存在せず、2019年以降に新設されてから一気に受け入れが進んだことが調査からも明らかです。
総合的に見て日本で働くメリットが多いから
日本で働く外国人労働者が多いのは、総合的に見て日本で働くメリットが多いからです。
東南アジアではまだ給与水準は低く、東南アジアの人々から見ると、日本の給与水準は高く感じられます。
一方で、日本は世界的に見れば治安が良く、社会保険制度なども充実しており、安心して働ける環境が整えられています。
また、工場で得られるスキルなども母国に帰った際に活かしやすいメリットもあるでしょう。
これらを総合的に見た際に、日本で働くメリットが多いと感じた人が日本の工場で働くことになります。
工場で働きたい外国人労働者を企業側が雇用するメリット
日本の工場で働きたいと考える外国人労働者が多い中で、外国人労働者を企業側が雇用するメリットがいくつか存在します。
・人材の確保がしやすい
・真面目に働いてくれる
・日本人の従業員に刺激を与えられる
本項目では、外国人労働者を企業側が雇用するメリットについてまとめました。
人材の確保がしやすい
日本では人口減少が著しい中、東南アジアを中心に人口が増加傾向にあります。
ある調査では東南アジアの人口のピークは2060年代以降とされ、この先数十年は人口増加が続くと言われています。
しかも、東南アジアでは若年層を中心に失業率が高く、例えばベトナムでは都市部における若者の失業率は9%もあります。
参照:公益財団法人国際労働財団「2022年 ベトナムの労働事情 (ラオス・ベトナムチーム)」
働き口を求めて日本を目指す若者が多く、労働力の確保がしやすいことが言えるでしょう。
真面目に働いてくれる
工場など日本で働く外国人従業員は真面目に働く人が多いことが言えます。
外国人従業員の働きぶりに関する調査では、大変満足と満足を合わせた数値は全体で95.6%と高く、製造業の中小企業でも9割を超えている状況です。
参照:あしぎん総合研究所「2023 年度外国人雇用に関する調査」の結果について
外国人を受け入れた企業の大多数は働きぶりに満足しており、人手不足解消の役割を十分に果たしていると言えます。
今後外国人従業員を増やしたいと考える企業は全体の3割程度ですが、減らしたいと考える企業が数%程度しかないため、今後も増える可能性はあります。
それだけ真面目に働いてくれる外国人の存在が大きいのです。
日本人の従業員に刺激を与えられる
やる気があり、ガツガツしている外国人労働者に対し、日本人の従業員が刺激を受けることがあります。
外国人労働者とのふれあいの中で新たな関係性が構築され、職場の活性化につながります。
外国人の明るい性格などがいいように作用すれば、工場の雰囲気をよりよいものにさせることも可能です。
多様性や柔軟性が出てくれば、より魅力的な職場になるでしょう。
工場で働きたい外国人労働者を雇用する際の注意点
外国人労働者を雇用する際にはいくつかの注意点があります。
・コミュニケーションの問題
・考え方や文化の違い
・教育に関する問題
ここからは、上記の内容についてまとめました。
コミュニケーションの問題
コミュニケーションに関しては、実際に外国人を受け入れた企業の多くが課題と考えている点です。
外国人を採用する上での問題点や課題という質問において、コミュニケーションと回答した企業が全体の6割以上でした。
参照:あしぎん総合研究所「2023 年度外国人雇用に関する調査」の結果について
いかにコミュニケーションを図っていくかに多くの企業が苦労したと言えます。
また日本語能力は外国人によってバラバラであり、より対応を難しくさせています。
そのため、大事なことはできる限り母国語で伝えることが重要です。
母国語を活用していく中で、円滑なコミュニケーションにつなげられます。
考え方や文化の違い
外国人労働者を受け入れる以上、考え方や文化の違いが生じるのは避けられません。
挨拶に対する考え方や休日、働き方など、それぞれの国の常識があり、日本と異なる部分も多々あります。
まずはどのような考え方・文化があるのかを認識するほか、日本で働いてもらう以上、何を守ってもらうかを決めておくことがおすすめです。
相手の考え方や文化を尊重しつつ、日本でのルールを守ってもらうというスタンスが求められます。
教育に関する問題
中小企業と大企業で課題・問題点に差が出ているのが、教育に関する問題です。
仕事面でのフォローを課題とする動きは中小企業に多く、考え方や文化の違いと同等の問題意識を持っています。
参照:あしぎん総合研究所「2023 年度外国人雇用に関する調査」の結果について
中小企業において、工場で働いてもらう際にどのように訓練を行い、教育を図っていくかに苦労している様子が垣間見えます。
このあたりもコミュニケーションに通じる部分であり、根気強く、分かりやすい言葉で説明を重ねていくなど、説明を尽くす姿勢が必要です。
まとめ
やる気をもって取り組む外国人が多いからこそ、働きぶりに満足する企業が大多数です。
外国人にとっても働きやすい環境が整えられているため、工場で働く外国人労働者は今後も増えていくでしょう。
あとは、コミュニケーションや文化の違いなどに注意して、外国人労働者と接していくことが重要です。
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