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2024.8.1

製造業において人手不足が与える影響は?状況・原因・解決策を解説

「とにかく人が集まらない」、「離職者が増えて仕事にならない」などの不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、以下の点をご紹介します。

・製造業における人手不足の状況
・製造業において人手不足が与える影響
・製造業で人手不足が生じる原因
・製造業で人手不足の影響を抑える解決策

ぜひ最後までご覧ください。

製造業における人手不足の状況

製造業人手不足影響見出し画像①

経済産業省が毎年発表する「ものづくり白書」では、製造業における従業員過不足DIが2023年にはマイナス20.4と過去5年で最も低い数値を記録し、人手不足の状況が悪化していることがわかります。
参照:経済産業省「2024年版ものづくり白書」

従業員過不足DIは、今いる従業員の数が過剰であると回答した企業から、不足と回答した企業の割合を引いて算出されます。

つまり、今いる従業員の数が不足していると答えた企業の方がとても多かったことが明らかです。

有効求人倍率は高止まりしており、求人を出してもなかなか人が集まらない状況となっています。

コロナ禍で一旦は落ち着いたものの、最近は再び人手不足が加速している状況です。

製造業において人手不足が与える影響

製造業人手不足影響見出し画像②

製造業において人手不足がどのような影響を与えるのか、主なものをまとめました。

・成長機会を失う
・働く環境が悪くなる
・倒産につながる

ここからは上記の内容について解説します。

成長機会を失う

人手不足によって、受注をこなすことに精一杯となるため、新たな技術を生み出すなどの業務まで手が回りません。

すると、成長機会を失ってしまい、次第に従業員のモチベーションが落ちていきます

また新たな技術などを生み出せないと、生産性も向上せず、経営面でジリ貧の状態にもなりかねません。

人手不足が続くと競争力にも支障を与えるため、早急な対策が求められます。

働く環境が悪くなる

製造業において人手不足が続くことは、目の前の仕事に追われ続けることを意味します。

人手不足の状況で仕事をこなすためには、稼働時間を増やして対処しなくてはならず、結果的に長時間労働につながるのです。

一時的に長時間労働に陥るケースは繁忙期などでありますが、人手不足によって慢性的な長時間労働になってしまいます。

従業員も最初のうちは耐えられたとしても次第に疲労が蓄積され、人間関係を始め、さまざまな部分で状況が悪化していくことが言えます。

倒産につながる

人手不足によって倒産を選択する企業も出てきます。

帝国データバンクが調査した「人手不足倒産の動向調査」では、人手不足を理由とした「人手不足倒産」は2024年上半期だけで182件ありました。

人手不足倒産はここ数年で悪化傾向にあり、過去最高を遥かに上回る勢いを見せています。
参照:帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2024 年上半期)」

人手不足倒産は現状黒字をキープしている企業でも起こるため、注意が必要です。

特に製造業は技術的な仕事も含まれるため、技術を持つ従業員が辞めた際に事業継続が難しくなって人手不足倒産に陥るケースもあります。

製造業で人手不足が生じる原因

製造業人手不足影響見出し画像③

製造業において人手不足が生じる原因には、以下のことが挙げられます。

・生産年齢人口が減っている
・後継者がいない
・賃金上昇で新規採用が難しい

本項目では、上記の内容について詳しく解説します。

生産年齢人口が減っている

15~64歳で構成される生産年齢人口は、年々減少しており、労働力不足につながっています。

2020年には7,509万人いた生産年齢人口は、2025年には7,170万人、2030年には6,875万人とわずか10年で700万人程度減ると予測されている状況です。

製造業に限らず、すべての産業で労働力の奪い合いになっており、従業員過不足DIはほぼすべての産業でマイナスとなっています。

元々のパイが段々と小さくなる中、人手不足が生じるのは必然と言えるでしょう。

後継者がいない

製造業は、若い人が就くケースが減っており、高齢者になってからも働き続ける人が増えています。

本来若い人に技術を受け継いでもらう必要がある中で、それができず、後継者不足を理由に倒産するケースも珍しくありません。

今後は少子化と高齢化がさらに進むと予想され、今の状況はより悪化する可能性が高いです。

製造業が慢性的な人手不足に悩まされることは十分に想定できると言えます。

賃金上昇で新規採用が難しい

先日、最低賃金が1時間当たり50円程度引き上げられるというニュースがありました。

東京の場合は時給1054円程度になるとされ、およそ5%程度引き上げられる計算です。

このように賃金上昇への圧力が高まる中、製造業に限らず中小企業は人手不足を解消したくても、賃金上昇の影響が大きく新規採用が難しい状況と言えます。

近年になり、物価や原材料高騰の影響で価格の値上げを行う動きが強まっていますが、それが賃金上昇にまでつながっているかは微妙です。

現状は人を集めたくても集められないという状況に陥っていると言わざるを得ません。

製造業で人手不足の影響を抑える解決策

製造業人手不足影響見出し画像④

製造業で人手不足の影響を抑える解決策が存在します。

・離職防止の対策を立てる
・在留資格「特定技能」などの活用
・業務効率の改善

最後に製造業で人手不足の影響を抑える解決策についてまとめました。

離職防止の対策を立てる

人手不足を抑えるには、まず今いる社員をこれ以上減らさないことが第一です。

その上でひとを増やす努力をしていくことで、次第に人手不足が解消されていきます。

離職防止の対策として、社員のモチベーションを高める施策、福利厚生の拡充、コミュニケーションの強化などが挙げられます。

今いる社員のモチベーションが低い状況は、仮に新たな人材を入れても同じことを繰り返すだけです。

だからこそ、今後のことを考えて離職防止の対策を立てることが大切です。

在留資格「特定技能」などの活用

ここ数年で在留資格「特定技能」や技能実習生が増えています。

特に特定技能は製造業を始め、慢性的な人手不足の改善に向けて導入された在留資格です。

上手く活用していくことで人手不足の解消につなげられます。

特定技能2号への切り替えまで行えれば、より長く働いてもらえるようになるので、導入が求められます。

業務効率の改善

人が多少足りなくても業務効率の改善を図ることでカバーすることが可能です。

自動化やDX化によって、業務効率の改善が図れるほか、工数の削減にもつながります

自動化できるものは自動化し、新しい技術の開発などを人間が行うような形が理想的です。

AIが導入されると人の仕事が奪われると言われていますが、新しい技術などクリエイティブな部分はまだまだ人間の独壇場と言えます。

任せられるものは任す形にしていくことが、人手不足を打開することにつながるでしょう。

まとめ

製造業人手不足影響見出し画像⑤

製造業に限らず、人手不足は慢性化し、大きな影響を与えています。

特定技能外国人の活用など、慢性的な人手不足を解消するために海外から労働力を工面していくことが一般的になりつつあります。

一方で、今いる社員を大切に扱うなどのことを積み重ねている企業は、社員のモチベーションが高く、低い離職率となるでしょう。

人手不足に陥っている企業はそれだけ離職率が高いと言えます。

人手不足の解消は、出を減らして入りを増やすことに尽きると言えるでしょう。

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